『ニート フリーターでもなく失業者でもなく』

おれふ

2006年11月20日 20:53

『ニート フリーターでもなく失業者でもなく』を読む。先日、うちの会社が講演を依頼した玄田先生の本。随分前に上司に借りたのだが、つい読まずにそのままになっていた。それを何故かこのタイミングで手にした。やはりチェーンリーディング。昨日読んだ『海馬』とも、今日読んだもう一冊の僕たちは編集しながら生きている』『ともリンクするところがあるな~と思いながら読む。

ニートとはNot in Education Employment,or Trainingの頭文字を取ったもの。「学生でもなく、働いてもおらず、職業訓練も受けていない人」ってとこか。失業者っていうのは、仕事を探している人のことだから、このニートっていうのは就職活動もしていない人を指す。

人材系ビジネスの会社に勤めているので、休業中でもどうしてもこういう話題、気になってしまうのです。最近特に。というのも、以前は企業の大卒の正社員採用を中心に動いていたのですが、ここのところは中途採用のことがメインになったから。中途採用が中心だとどうしても、クライアントの企業規模が小さくなるし、求められる人材のスペックの幅も広がる。この場合、たいてい上には広がらない。下に広がるのです。自然、フリーターや第二新卒でもOKという企業の人事と話すことも増えてきた。

でもね、言われましたよ「今、就職難だし、よくニュースでも若年層の失業率高いって言ってるから、人余ってるんでしょ?15人くらいすぐ採用できるよね?」って。特におじさん人事。もしくはそれを上司に持つ不人気業界やサービス系企業の人事の人が上に言われている。

あのね~、数字上は余っているけど、必死に仕事を探して焦っている40万人じゃないですから。特に御社の仕事を希望するかどうか…とは、言いたいけど言わない。


っっと、話それてましたが、というように仕事の本という位置づけで後回しにしていたのですが、読んでみたら、そうでもない。あら、これってば結構身近に起こっている問題に近いのかも。『相談する人がいない』って、現役大学生の後輩から聞いたことにも似ているような。『自分のやりたいことが見つからない』って少し前に相談を受けた知り合いの話にも似ているような。『人付き合いが下手』なんて、休業中の私のことを言われているような。

経済学者の玄田先生と、フリーライターの共著のため、決して上からの視点ではなく、嘆いてもおらず、真摯な姿勢で書かれた本。おぼろげながら、現状が伝わってきた気がします。しかし、ニートの本人もわかっていないようなことですから、簡単に「わかった」と言ってはいけないと書いた先生の気持ちわかるような気がします


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